雪解けの清流が育てたマッシュルーム

ブラウンマッシュルーム

2016年07月

雪解けの清流が育てたマッシュルーム

山形県

グループ名 長澤光芳さんグループ
グループメンバー 長澤光芳

山形県東北部に位置する舟形町。栽培時、水のみで成長する、マッシュルームに欠かせない「水」。果肉の水分率は90%にもなります。ここ舟形町は冬場の豪雪の恩恵である、美味しい地下水と、最上川の支流である一級河川「最上小国川」の清流があり、水と自然に恵まれた土地です。

〜ハウスではなく、栽培舎!常に爽やかな環境のクリーンルーム〜

マッシュルーはどのようなところで栽培されているのか。この疑問を持ちながら、当日圃場に行き驚きました。遠目から見たら、まさかここで農作物が育てられているなんて思えない建物が20棟並んでいました。これらは、高度な設備が1舎ごとに備えつけられている施設で、「栽培舎」というそうです。

全体の形はビニールハウスに似ています。

 


足元の消毒を行い入室。室内は約17度で半袖でいると涼しく感じます。この栽培舎の特徴は、扉を開け閉めしても、虫やほこり等が入らないように外気との気圧の調整を行っているクリーンルーム。常に空気の状態を爽やかにすることで、無農薬栽培が実現しています。

栽培舎内は4段のベッドで構成されています。

〜培地作りの決め手は「ブラックピートモス」〜

長澤さんのマッシュルームのこだわりの一つに培地作りがあります。肥料は全て植物性。麦ワラ・稲ワラに、コーヒー豆の搾りかすや大豆の搾りかすを混ぜ、殺菌、発酵させたものにマッシュルーム菌を植え付けます。これらは長年の経験から、長澤さん独自のブレンドで自社製造されています。

ワラの上にある黒い部分が「ブラックピートモス」です。

 


出来上がった培地は、栽培舎に運び込まれ培養。2週間後に培地の仕上げとして「ブラックピートモス」を覆土します。この「ブラックピートモス」は土ではありません。アイスランドの冷涼地の湿原に堆積した「ピートモス」よりも、最下部のさらに冷たい水で保存されている「ブラックピートモス」と呼ばれる植物の繊維状のもの。以前は赤土を使用していましたが、微生物などの多い土を消毒する際に使う、薬をなくすため、微生物が育たないほど冷たい土地でできた「ブラックピートモス」を使うようになったそうです。

完全無農薬栽培だから収穫したてのマッシュルームを生で食べられました!

〜マッシュルームの立ち位置〜

日本できのこといえば、椎茸・しめじ・舞茸など様々な種類があり、
きのこ激戦国です。ヨーロッパではきのこといえば「マッシュルーム」。それはうまみ成分がおおく、日本でいう“出汁”としてマッシュルームが多く使われるからとのことでした。

 

洋食用と思われがちですよね、という質問に「和食にも旨みとしてマッシュルームを入れてみてください。私はひじきの煮物に薄くスライスしたマッシュルームを入れますよ。」
出汁をいれずともマッシュルームからの旨みだけで十分で、きのこ特有の食感も相まって最高とのことでした。

〜もったいないをなくす〜

長澤さんのマッシュルームの商品の中には、水煮を作る工程時にでたエキスや、わけありになってしまった商品を使った加工品などがあります。これは収穫後の選別で等級を分けるときに思い切ってできるようにと、始められたそうです。常に最高のマッシュルームを選び、少しでも気になるものは加工品に回し、優良品をお客様に届けられる状態にしています!顔が見える野菜。マッシュルームも自慢のマッシュルームのみを詰めています!と力強いお言葉をいただきました。

マッシュルームはえぐみが少ないことから、生で食べても美味しいきのこです。スライスして、ベビーリーフと、焼いたベーコンと和えて食べると、サクッサクッとした食感が楽しめます。是非お試しください!

雪解けの清流が育てたマッシュルーム