さやいんげん
2014年03月
いいものを作り続けたい
鹿児島県
グループ名 | 田畑吾一さんグループ |
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グループメンバー | 園田芳文 、 園田雄二 、 新村清孝 、 田畑吾一 、 渡邊賢二 、 宝満良子 |
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今回お邪魔したのは、鹿児島県肝属郡肝付町。大隅半島の南東部に位置し、雨が多く温暖な地域です。この地域でさやいんげんを栽培されている、園田芳文さんにお話をうかがいました。
温度、そして湿度
この日は3月上旬でしたが、鹿児島県は最高気温17度と、かなり暖かい日でした。園田さんのハウスに着き、お邪魔すると・・・ さらにポカポカと、ハウスの中が温められていました。 秋から春にかけて出回るさやいんげんは、温暖な鹿児島産のものが中心です。その鹿児島県でも、その時期の気温に合わせ栽培方法を変えて栽培されますが、この時期はまだ寒く、外には霜が降ります。そのため、ハウスの中で加温しながらさやいんげんが育てられます。 園田さん、ハウスの中での栽培はいかがですか? 「ハウスの中なので、湿気がたまると病気が出やすいんで、ちょっと寒いかな、と思ってもちょっと(ハウスを)開放してあげるようにします。」 温度だけに気をつけていると、今度は湿度という壁が。ムシムシしていると、病気になりやすい・・・ちょっと、わかるような気がします。 「自分がどうかあったら(何か調子が良くないと)、木もどうかあるのかなって感じで、ムシムシしてたら自分もどうかあるから、木もどうかあるだろうっちゅう。暑いときは暑いし。」 当たり前ではありますが、木も生きています。人間が辛いと感じれば、同じよ うに木も辛いだろう、と感じることが大切なんですね。
園田さんのあったかいハウスで、びっしりとさやいんげんの木が茂っています!
木を弱らせないためにも、「適期」に
園田さん、さやいんげんの栽培で一番のポイントは何でしょうか? 「水管理、温度管理はもちろんなんだけど、あとは収穫が一番のポイントかな。適期に収穫するのが大事です。」 と園田さん。 適期は、大きさで判断するそうです。大きくなりすぎると、規格外品になってしまいます。でも、問題はそれだけではありません。 「長い時間(実を)成らしてると、木自体が弱っていくんで。なので早めに収穫して、で、そうするとまた次の花がつきます。あとは、葉の茂り具合とかを見ながら、木が弱ってきたらまだ早くても一旦収穫してしまいます。」 木に負担をかけないように、ちょうど良い大きさで収穫し、そこから次の花が咲き、そこからまた実が成っていく。 木が元気であれば、元気な実をたくさんつけてくれます。実のなる「木」をいかに元気に保つかが、大事なんですね。
この時期(3月上旬)は、まだかな、と思っていた実が3日後にはもう取りごろになっているそうです。適期は短い・・・
はさみの”印”から、24〜5kgへ
園田さんは現在、30アールほどのハウスでさやいんげんを栽培されていますが、その前は果樹の栽培をしていたそうです。 さやいんげんの栽培に切り替えてからは約8年になるそうですが、最初は苦労されたのでしょうか? 「最初はですね、もうすべてがわからないことだらけで、人に聞いて。ほんとすべてですよ。種をまいて、こんなにでかくなることも知らんかったし。」 成長した木は思ったよりも大きく、「こんなになるんだ!」と思ったそうです。 また、大事な「適期」の見極めにも、とても苦労したそうです。 「さやいんげんには、S・M・Lっていう規格があります。最初はですね、このはさみに印しとって”S”(の印)を超えたらちぎる感じで、1回1回こんなしてたんですよ。あー、(ちぎって)いいかな、いいかなって。」 と、さやいんげんの実をはさみに押し当てる様子を実演してくださいました。 「だから最初は結構ちぎれなかったんですよ、量的に。全部大きいとそれをもうちぎるだけなんだけど、(実の)状態がいろいろあるんで、どうかな、どうかなって悩んでるうちにもう1日が終わっちゃうって感じです。」 今ではもう、目で見ただけでその判断ができるそうです。 「もう回転を速くしないといけないんで。朝来たときから、目が見えなくなるまで収穫してます。冬はもう5時で見えなくなるから(もう取れないので)もったいないですよね。」 栽培を始めて約8年。今では1日の収穫量が1人で頑張って24〜5kgにもなるそうです。さやいんげんは1さや数gですから、相当な量ですね!
「このはさみに印しとって」と園田さん。今ではもう印は使わないようです。
いいものを作り続けたい
「顔が見える野菜。」として、園田さんのさやいんげんがお店に並ぶことについてはどう思われますか? 「見て買われるから、責任があるっちゅうのは思いますね。今はもう当たり前ではあるけれど安心して食べてもらえるように気をつけています。」 と、園田さん。 病気を出さない温度・湿度管理はじめ、きちんとするように心がけているそうです。 また、園田さんはこうも話します。 「喜んでくれたらいいですね。鹿児島の野菜がいいなぁって思われたら、嬉しいです。」 園田さんの野菜をきっかけに、園田さんの野菜だけでなく、鹿児島の野菜の良さも伝わってくれたら。ご紹介する私たちもそう思います。 園田さん、今後の目標を一言お願いします。 「これからも、いいものを作り続けたいと思います。」 シンプルですが、頼もしいお言葉でした。いい野菜が、これからも鹿児島から届き続けます。嬉しいですね!
文章では伝えられないのが残念ですが、園田さんは・・・ とっても「イイ声」なんです!園田さん、ありがとうございました!
さやいんげんの美味しい食べ方!
そんな園田さんと奥様に、さやいんげんの食べ方についてうかがってみました。 普段、どんな風にさやいんげんを召し上がるのでしょうか? 奥様:「炒めたり、天ぷらにしたり湯がいて食べます。塩昆布とかね。」 園田さん:「一番美味しいのは、素揚げ。いんげんを素揚げにして、塩パラって振って。」 奥様:「いんげんってギシギシするのが嫌いっていう人がいるみたいで、でも素揚げだったら食べれるって言うよ。」 園田さん:「お酒のおつまみにはそれが一番いいかな。」 シンプルで、素材の味を楽しめそうですね! さやいんげんのギシギシする感じが苦手な方、お酒が好きな方、それ以外の方も、この機会に是非「素揚げ」を召し上がってみてはいかがでしょうか?
園田さんの育てたさやいんげんは、緑鮮やかでふっくら。素揚げにしたら美味しそうですね〜!
園田さんが育て、ふっくら実ったさやいんげん。園田さんオススメの素揚げをはじめ、和え物、煮物、炒め物など、さまざまな料理でお楽しみいただけます。この季節に届く鹿児島の味を、是非、ご堪能ください!