里芋、元気で子だくさん!

里芋

2013年11月

里芋、元気で子だくさん!

千葉県

グループ名 ダイヤアグリシステム
グループメンバー 橋本富夫 、 高橋和夫 、 砂明利 文治 、 長谷川一公 、 田中茂夫 、 並木末春 、 北崎清志 、 野平正美 、 野平善一 、 野平實智子 、 續 武夫

千葉県、成田国際空港で有名な成田市。千年以上の歴史がある成田山新勝寺があることでも知られています。今回はこの土地で里芋を栽培されている、橋本富夫さんを訪ねました。

子だくさんの縁起もの

「里芋は縁起もので、子だくさんって言うべ。だからどんどん食べてほしい。」
と、橋本さんは話します。

里芋は、大きな親いもに小さな子いも、孫いもがどんどん成っていきます。
このことから、古くから子孫繁栄の縁起の良い食べ物として、お正月や結婚式などのお祝い行事に登場してきました。

里芋はこれで1株なんです!真ん中に親いもがあり、それに子いも・孫いもとくっついています。子だくさんですね!

自然相手の職業

橋本さんが、栽培で一番苦労されるのは、自然を相手にすることだそう。
肝心なのは温度と水と光。その調整が難しいのだそうです。

「自然だからな。足りないときは水かけたりするけど、多すぎてもダメ。なんでも適当がいい。」
と橋本さん。
「でも、適当っていうのが難しい。天候が毎年違うから。」

また最近は、天候の変化を実感されるそうです。
「最近は夏が極端に暑くなってるよね。農家やっていくのにも神経使って大変。今年は秋が短かった。もう少し秋晴れが続いてくれればいいけど、今年は台風だなんだで雨が多くて地面が冷えちゃって、それは作物には良くないよね。」

その一つ一つに、日々対応していくそうです。気まぐれな自然を相手に、元気な里芋を育て上げるのは大変な作業なんですね。
「最近は特に難しくなってきたね。自然相手だからしょうがねえけども。」

元気に育った里芋がたくさん収穫されていました。

地力をつける土づくり

自然への対応は難しい。そんな中でも、橋本さんは心がけていることがあるそうです。

「堆肥をいっぱい入れるようにしてるよ。昔のやり方だな。地力がつくから。環境に強くなる。」
と橋本さん。
たとえば、害虫や病気の対策。それらに対して即効性があり、効果も大きいのが農薬です。それでも、橋本さんはなるべく農薬を撒かないために、土を肥やすのだそうです。

「やっぱりなんだかんだ言っても、畑が良くなけりゃダメだよね。掘ればミミズがいるけども、ミミズがいるような畑にしたほうがいい。ほら、農薬あんまり使わないようにしてるから、虫も増えるわ。」
畑には、虫を食べに鳥がやってきていました。

「農薬を使うと(里芋の)見栄えはいいのかもしれないけど、なんとなく自分らも食べるもんだから、気になるよね。」
虫も住める元気な畑だからこそ、里芋がすくすく育つんですね。

畑には鳥が。土が肥えている証拠です。なんだか微笑ましいですね。

嬉しいとき

橋本さんが、一番嬉しいのはどんな時ですか?

「よく豊作貧乏というけども、農家やった場合はやっぱり豊作に取れるのが一番嬉しいですね。」
作物が多く出来て収穫が多いと、需要を超えてしまい価格が下がることがあります。それは必ずしも生産者にとって喜ばしいことではないとも言えます。

「価格が下がるのは寂しいけども、やっぱり作ったものが豊作にできれば嬉しいですよ。」
と橋本さんは話します。
たとえお金にならなくても、たくさんできるのは元気に育った証拠。元気な里芋がたくさん取れる、というのは当たり前ではないんですね。

収穫された里芋は、1つ1つのいもに分けられ、選別されるなどしてこのような形になり、出荷を待ちます。

自信を持って作ってるから

最近は、昔に比べて里芋を食べる機会が少なくなってきているのが残念だと感じているそうです。
そこで是非、これは、という美味しい食べ方があったらご紹介ください!

「里芋といか。あれが煮物に合う。いかを一緒に煮込むとうまい。いかの缶詰でもいいから、一緒に煮込んで食べるとうまいよ。」

中にはいかの香りや色が付いてしまうのを敬遠してしまう人もいるそうですが、里芋にいかのエキスが染みこんで美味しいのだそうです。最近あんまり里芋を食べなくなったという方にも、是非、お試しいただきたいです。

ところで、橋本さんは、「顔が見える野菜。」として、ご自分の里芋が販売されるのをどう感じていらっしゃるのでしょうか?
「ちょっと恥ずかしいけど、自信もって作ってるからいいのかなって」
と、橋本さん。農薬をあまり使わずに、地力をつけて。
「うん。だから、どんどん食べてもらいたい。」
とても力強いお言葉でした。

穏やかで笑顔の優しい橋本さん。お休みの日は、お孫さんと遊ぶのだそうです。
ありがとうございました!

元気な土づくりからこだわって育てた里芋。橋本さんが自信を持ってお届けする昔ながらの美味しさです。子だくさんの願いも込めて、是非たくさんの方に味わっていただきたいと思います!

里芋、元気で子だくさん!