パプリカ
2013年08月
最先端のパプリカ栽培!
宮城県
グループ名 | シャミム・アハメドさんグループ |
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グループメンバー | シャミム・アハメド |
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今回お訪ねしたのは、宮城県北西部にある栗原市。パプリカの生産者、シャミム・アハメドさんにお会いし、最先端のパプリカ栽培をご紹介いただきました。
シャミム・アハメドさん
日本に出回るパプリカは、その大部分が輸入品です。そんな中、国内での大規模なパプリカ栽培を実現している農業生産法人があります。シャミムさんはその一つ、「リッチフィールド栗原有限会社」の農場長。約20年前に日本にいらしたそうです。日本の大学で農業施設の環境制御を、パプリカ栽培に携わってからはオランダ研修で施設園芸の最先端技術を学んだそうです。
広い農場には、びっしりとパプリカの木が並んでいました。背の高い木はまだまだ伸びて4メートルほどにもなるのだとか。
コンピューターを使った最先端の農業技術
「パプリカは実になるのが難しい。」 とシャミムさんは話します。農場ではそのパプリカに最適な環境を最先端技術で整えています。 「水、温度、暖房、湿度、二酸化炭素、すべてコンピューターで調整しています。」 例えば、炭酸ガス(二酸化炭素)を流すホースがあります。 「日射があれば、植物はエネルギーを使うので、それに必要な二酸化炭素が出るようになっています。日射が無い時は、二酸化炭素が出ないようになっています。」 ずらっと並ぶパプリカの木がみな元気そうなのは環境制御が行き届いているからなんですね。
このホースから炭酸ガスを出します。
農業技術の研究はまだまだ続く
シャミムさんの農場では、まだまだ先を見据えています。農場の外には大きな反射板のようなものが。これは、太陽熱を集めるものだそうです。暖房コストがかかる冬場のハウスを温めるため、自然エネルギーを利用しようという試みです。
太陽熱を集める装置。
「なるべく自然に近い状態で」
また、シャミムさんの農場では、害虫や病気の対策として、天敵や微生物を利用しているそうです。 「微生物などは効果が出るのに時間がかかります。強い農薬を撒けばすぐに効きますが、そうすると天敵も死んでしまうので撒きません。」 手間がかかるので、大変なことも多いそうです。 「でも、なるべく自然に近い状態で。」 安心して食べてもらうための工夫ですね。
熱心に教えてくださったシャミムさん。ありがとうございました!
熱心、そして優しいシャミムさん
最先端の設備について熱心に教えてくださったシャミムさん。忙しい中ですが、祖国のバングラデシュでは、学校に行けない子どもたちにボランティアで農業を教えたり、学校に行けるように支援をしているそうです。 「ちょっとですよ。ほんのちょっとだけ。」はにかむ笑顔が素敵でした。
鮮やかで、つやつやのパプリカが収穫されていました!
「パプリカは栄養たっぷり。色もきれいで、野菜が嫌いな人でも見たら食べたくなると思います。」とシャミムさん。そんなシャミムさんの農場で育った元気なパプリカ。店頭でその鮮やかな姿を見かけたら、是非お手にとってみてください!