うなぎ
2012年04月
温泉水を利用したうなぎ養殖
鹿児島県指宿市
グループメンバー | 今村寛信 |
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鹿児島県指宿市。ここは薩摩半島の南端に位置し、温泉の観光地としても知られています。 街路樹にはヤシの木が並び、南国の雰囲気ある鹿児島県。 今回は、ここ指宿市でうなぎの養殖を営む今村さんの養鰻場を訪ねました。
温泉水で育つうなぎ
山の中を車で進むと、見えてきたのはたくさんのビニールハウス。うなぎの養殖は、このハウスの中で行われています。今村さんに案内され、ハウス の中を覗かせていただきました。ハウスのドアを開けると、温かい空気が押し寄せてきます。カメラのレンズが曇ってしまうほどです。 うなぎの飼育に適切な水温は30度ほど。訪問した日も暖かな陽気でしたが、ハウス内の気温の方が高く感じます。 ハウス内の池の水温を高く 維持するために、水を温めて飼養するのが一般的な養鰻場ですが、今村さんの飼養には、指宿市ならではの特徴があります。『温泉水』を利用することで、水温を高く保っているのです。
ビニールハウスには番号がつけられ、ハウス毎に管理をしています。
ただし、池の水温は日によって変化します。今村さんは、水温の変化に対応ができるよう、温度管理をしています。 「うなぎの養殖は、温度管理が大切です。そのため、すべてのハウスの温度がわかるよう、デジタル管理をしています。温度が高くなりすぎた場合は、アラーム音が鳴るようになっているため、管理もしっかりと行えるんです」 温度の調整をするために、ハウスのビニールを上げて換気をし、必要があれば温泉水の量の調節を行うとのこと。これなら温度管理もしっかりできますね!
うなぎのサイズに応じて、ハウスを分けて飼養しています。
過ごしやすい環境づくり
うなぎ養殖の特徴は、水の温度だけではありません。「適度に濁った水」で養殖する必要があります。透明度の高い水だとうなぎのエサ食いがよくないそうです。 「うなぎは適度に濁った水を好むため、わざと透明度を抑えることもあります。ハウスの池を掃除したあとは、水もきれいなんですよね。だから粉末状にした木炭を入れて、わざと濁らせています」 温泉水を利用した温度管理や、透明度を抑えた水の管理。 うなぎにとって過ごしやすい環境をつくるための、今村さんの細やかな気遣いが伝わってきました!
うなぎを育てているハウス内の様子です。
おいしいうなぎをお客様に召し上がっていただくために
いくら丁寧に育てていても、実際に食べておいしいかどうかが、一番大事なポイントです。 加工場である大新さんでは、食卓においしいうなぎをお届けするために、食味テストを行い、そのテストに合格したうなぎだけを、加工し出荷しています。 つまりは、大新さんが認めたうなぎだけが、お客様の食卓に届くのです。 具体的には、大新さんの社員複数名が、実際にうなぎを食べ、身質や臭いなど項目に合わせて点数をつけます。試食をする人が複数名いること で、公正なテストを行うことができるのです。 お客様においしいうなぎをお届けしたい。生産者今村さんと加工場大新さんの思いが一致しているからこそできる取組みです。
ハウス内の温度を一括で管理しています。
今村さんと大新さんの思いが伝わる訪問となりました。 これからも、おいしいうなぎをよろしくお願いします!