野菜にも人にも真摯に向き合って作る。

小松菜

2019年03月

野菜にも人にも真摯に向き合って作る。

千葉県

グループ名 斉藤知秀さんグループ
グループメンバー 丸山 進 、 斉藤知秀 、 石井和昭 、 瀧澤和典

今回私たちは、千葉県富里にある斉藤さんの圃場を訪問しました。動画を撮られながらの取材は初めての斉藤さん。緊張してらっしゃいますか?と尋ねると、「緊張してないけれど、カメラ映りだけ気になっちゃうな〜。こっちのアングルがいい?こっち?」と交互に頬を突き出しお茶目な一面で取材チームを和ませてくださいました。

〜美味しさは、美しさから。〜

斉藤さんの圃場を訪れ、まず収穫された小松菜の美しさに驚きました。葉の色は目に鮮やかな濃緑色で、虫食いは少なく、泥などの汚れの付着がとても少ないのです。そして、まさにこの綺麗さが、斉藤さんが小松菜づくりの上でこだわっているポイントの一つであるそう。通常、小松菜の泥汚れは水で洗い流すことが多いなか、斉藤さんは小松菜の日持ちを向上させるために収穫した小松菜に極力水を使用していないとのことです。したがって、収穫時には一つずつ泥がつきやすい根元の箇所を丁寧に処理しているとのことで、実際に見学させていただきましたが、はさみで処理した後の小松菜は水洗いが要らないほど綺麗な状態でした。
また、虫食いについては事前の防除が肝心であるため、自ら圃場をパトロールして虫食いを防止できるように早めの対応を心掛けているとのこと。「従業員数を増やし栽培面積を拡大し農場規模を大きくすることはできるが、そうすると自分の目が届く範囲で管理することが出来なくなるため今の質の高さで小松菜を生産し続けるのは難しい。今が適切な規模なのです。」と斉藤さんは言います。

収穫したてのみずみずしい小松菜たち

〜働く従業員とも向き合う大切さ。〜

取材中、海外からやってきた2名の技能実習生の方が、小松菜の収穫作業にあたっていました。1日にどの程度の量を出荷しているかと斉藤さんに伺うと、「1日に1トンを目標にしています。」という回答が。取材チーム、様々な農家さんを見学させていただいておりますが、葉物野菜で1トンという数字はなかなか聞いたことがない……!どのようにして1トンの目標を達成しているのでしょうか。「私の農場には技能実習生が働いています。実習生ひとりひとりの特性を見て、計量が得意な〇〇さんはこのポジション……といったように、特性に合った仕事が出来るように役割分担をすることで作業性をアップさせています。」なるほど、実習生と向き合うことで日々の作業を工夫し効率を上げているのですね。さきほどのインタビューで自分の目が届く範囲で生産を続けたいとおっしゃっていた理由がわかりました。ちなみに、斉藤さんがタイやベトナムに直接赴いて実習生と面接することもあるそう。

技能実習生さんと、収穫を待つ小松菜

〜ASIAGAP認証を取得して。〜

2015年にASIAGAP認証を取得した斉藤さんの圃場。認証取得によって、自分がより自信をもってお客様に出荷できるようになったということです。取得前は認証取得のためにチェックしなければならない項目が多く、自分には無関係のこととも思っていたこともあったそうですが、今は1つ1つの工程を明確にし、リスク管理を徹底する意義を身をもって感じているそう。「例えば収穫するハサミ一つとっても、何を使うか定めて適切に管理する……安心安全な農作物をお客様に届けるためには、個人農家であっても一つの会社のように規則を設定して生産する必要がある。」と斉藤さんは語ります。取得時よりも最近になって「素晴らしい取り組みですね。」と周囲に評価されることが増えているとのことで、改めてASIAGAPを取得してよかったと感じるとともに、自信を持って作っている小松菜にさらに自信を上乗せして日々出荷できているといいます。

さらに高みを目指して生産管理を行っていきたいと語る斉藤さん

小松菜を軽く茹で、じゃことあえ、ポン酢をかけて食べるのが斉藤さんの一番お好きな小松菜の食べ方ということです。出張後に試したところ、甘くやわらかな斉藤さんの小松菜の美味しさをじっくり味わえました。みなさんもぜひお試しください!

野菜にも人にも真摯に向き合って作る。