土物の季節!にんにく編

にんにく

2006年11月

土物の季節!にんにく編

青森県

グループ名 高田勝信さんグループ
グループメンバー 甲田哲也 、 高田勝信 、 李沢利雄

ふたたび青森県上北郡の土物の産地からレポートをお届けします。11月初旬にお邪魔した七戸地区・高田さんのにんにく畑は、既にキンとした冬の空気に包まれていました。この地域のにんにくは、最高級の健康食材として注目を集めています。

一玉400円!〜発酵黒にんにく大ブレイクの秘密

この日同行していただいたのは、天間林流通加工の町屋社長。
 「これ食べてみてください」と事務所で出されたのは、真っ黒な発酵にんにく。い、いただきます。・・・あれ、甘酸っぱい。

 実はこれ、町屋社長が火付け役の「発酵黒にんにく」。ひと月かけて熟成すると、色が黒く変わり、辛みや独特のにおいが抜けて、プラムのような甘酸っぱい味になります。これが若い女性を中心にブレイク中だそうで、ひと玉400円で取引されているというから驚きです。

1ヶ月熟成させた「発酵黒にんにく」。今話題の健康食品だそうです。

「土が壊れた・・・」〜10年前の経験があるからこだわれる

「ものすごくこだわっている人」
 そう聞いてうかがった高田さんは、18年前に農業を継ぎ、ながいも、にんにく、ごぼうなど6町歩(ha)を奥さまと一緒に生産されています。今年、特別栽培農産物の認証を取得。一般的な栽培から減農薬5割減化学肥料5割を達成しています。

「10年前、土壌消毒剤を使ったあとに植えた長いもが全部腐ったことがあるんですよ。土が壊れたと思ってショックでね。」
 同じ野菜を同じ畑で続けて作ると、連作障害が起こり、土壌病害が現れてきます。これを防ぐ土壌消毒剤を、高田さんはこのできごと以降、自作のEM菌(注1)に置き換えました。ごぼうとながいもで3年の輪作もするようになりました。

高田さん特製の「とうがらし液」。これが農薬を減らす秘密兵器だとか・・・

健康な土で

「化学肥料を使うから土が病気になる。病気になるから農薬を使う。悪循環ですよ。・・・もちろん農薬代も惜しいしね」と、にっこりの高田さん。
 健康な土で、いいにんにくを作って、お客さんに喜んでもらいたい。奥さまとふたり、そんなこだわりを楽しみながら続けている高田さん。
 「この人の作るものならぜひ食べてみたい」、そう思わせてくれるステキなご夫婦でした。

きれいにマルチが張られた畑。後は雪が降るのを待つばかり。

高田さんご夫婦。とにかく明るく、笑顔の絶えないお二人です。

紅葉した長いも畑と、八甲田の秋空。

(注1)EM菌

(注1)EM菌・・・土の中に存在する作物の栽培に有益な微生物の集合体を示します。

八甲田の土と気候、そして高田さんご夫婦の愛情がたっぷり入ったにんにく。店頭には、発酵黒にんにくではないですが、皆様がご家庭で使う通常タイプを「顔が見える野菜。にんにく」として販売しています。冬の滋養強壮にもぴったりですよ。ぜひたくさん召し上がってくださいね。

土物の季節!にんにく編