美味しさと安全を叶えるために、一貫生産の瑞穂牛

国産牛

2016年09月

美味しさと安全を叶えるために、一貫生産の瑞穂牛

茨城県

グループ名 有限会社瑞穂農場
グループメンバー 下山一郎

茨城県北西部に位置し、久慈川と那珂川の大きな2つの川に囲まれた、緑豊かな常陸大宮市。温暖な気候で、美味しい空気と美味しい水、丈夫で健康な牛が育てる上で適した環境です。
繁殖から肥育、出荷するまでの全ての期間を飼育している下山さんを訪問しました。取材当日は直前まで大雨が降っておりました。が、常陸大宮市に着いた途端に快晴に!お天気も味方につけて、いざ瑞穂農場へ。

〜生まれる前から出荷まで、下山さんのもとで “一貫肥育”〜

瑞穂農場の最大の特徴は、生まれる前から牛肉として出荷するまで肥育する“一貫生産”を行っていること。
広大な牧場では酪農も行われており、酪農用の乳牛に黒毛和牛を交配させて、瑞穂牛の子牛が生まれます。そして、出荷するまでの全ての期間を瑞穂農場内で飼育していきます。
なぜ、下山さんは一貫生産にこだわるのか?「どんなエサを食べてきたか、また、どんな治療を受けてきたか、等の情報が全て記録として残せるから。」と。最も確かなトレーサビリティシステムとなっているんですね!

瑞穂農場入口にて。下山さんが迎えてくれました。

〜瑞穂牛の誕生〜

牛舎内で生まれた瑞穂牛。生まれてすぐに初乳を飲み、母牛からの免疫をたっぷりもらいます。生後数日の子牛は自力でミルクが飲めないので、1頭1頭哺乳瓶で与えています。
“いかにミルクを飲ませるか?”が大事な時期になるので、飲みやすい工夫をされています。

ミルクを飲む仔牛。飲んだ量も管理されています。

〜瑞穂牛も人間と一緒!デリケートな時期こそ、心地よく。〜

生後2〜3週間になると哺乳ロボットを使用し、飲んだミルクの量を徹底管理しています。
この時期の牛は病気をしやすく、デリケート。 おがぐずも1週間に1度の頻度で交換し、清潔に保っています。
天候が良くない時は、瑞穂牛もご機嫌ななめ。期間に関わらずおがぐずを交換してあげたり、温度調節をしてあげたりと瑞穂牛がリラックスできる空間を作っています。
「常に心地よい環境を作り、ミルクを飲みやすくしてあげることが、丈夫で健康な肥育牛になる秘訣となります。」と下山さん。お腹いっぱいになってご満悦な瑞穂牛、気持ちよさそうです。

清潔なおがぐずの上で、気持ちよさそうに寝ている牛達。

〜どんどん食べて大きくなぁれ!〜

2か月程ミルクを飲んだ瑞穂牛は、下痢などがないようにタイミングよく離乳します。ここからは、下山さんこだわりのエサを食べて、丈夫な胃と骨格を作り、どんどん大きくなっていきます。離乳後のエサには、TMR(Total Mixed Ration)と呼ばれる飼料を使用しています。TMRとは、「混合飼料」「完全飼料」ともいわれ、牧草やビール粕を混ぜ合わせて作られます。
絶妙な配合バランスの飼料のため、瑞穂牛は選び食いをすることなく、成長に欠かすことのできないビタミン・ミネラルもしっかりとることができ、丈夫で健康な瑞穂牛に育ちます。

えさにも成長に必要な栄養素をとれる工夫がしてあります。

〜さっぱりとした美味しさの秘訣は、米!〜

牛肉の味を大きく左右するのが、エサ。
TMRの配合中に、茨城県を中心とした北関東産のお米を使用しています。お米を使用することで、口どけのよい脂になって、しつこくなく、さっぱりとした味わいの脂になります。
黒毛和牛の脂が胃に重くて苦手という方も、夏は焼肉、冬はすき焼き、と年中を通して美味しくお召し上がりいただけます。牛肉そのものを楽しむ、ステーキもおすすめです。

えさにお米を混ぜることで、さっぱりとした脂になります!

〜仕事は、愛〜

瑞穂農場のみなさんに、仕事での苦労話と嬉し話を伺いました。
「相手が生き物なので、ごはんを食べないこと、病気になることもあること。命を預かって育てていること。一頭一頭育ち方も違うし、仕上がりの体重や肉質も変わってくる。 大変ではあるけれど面白い部分でもある。」
「ミルクの時間に顔を出してしっぽを振って寄ってくるところはかわいい。命を預かって育てている、とやりがいを感じる。」
「一頭一頭愛情を持って育て、感謝の気持ちを持って販売していきたい。お客様にとって、安全で美味しいものを作っていきたい。」
瑞穂農場のみなさんからは、瑞穂牛に対する「愛」、
そして、食卓を囲むお客様への「愛」、をひしひしと感じました。

瑞穂牛に対して、お客様に対して、想いを語っていただきました。

〜おまけ編 招き猫?! 守り猫発見〜

最後に、広大な瑞穂農場をぐるりと案内してくださりました。
すると、おや?牛舎の影でまったりしている猫を発見!
瑞穂農場では、牛舎にいるネズミ対策に数匹猫を飼っているそうです。猫に見送られ、取材は終了しました。

まったりしている猫。ネズミが出たらいざ出陣!

瑞穂牛は、口どけのよい脂で、しつこくなく、さっぱりとした味わいが特徴です。
“黒毛和牛の脂が重くて苦手”という方も美味しくいただける自信があります。
いや、むしろ、“黒毛和牛の脂が苦手”という方は騙されたと思って食べてみてください。
牛肉の世界が変わります!
苦手な方もお好きな方も、ぜひ一度、お召し上がりください!!

美味しさと安全を叶えるために、一貫生産の瑞穂牛