さつまいも栽培は、先を見て。

さつまいも

2013年09月

さつまいも栽培は、先を見て。

茨城県

グループ名 掛田佐智子さんグループ
グループメンバー 井川 忠 、 掛田佐智子 、 掛田昌俊 、 久保一行 、 森田 茂 、 斉藤力男 、 箕輪正和 、 齋藤正美

今回訪れたのは、茨城県南東部にある行方市。
霞ヶ浦の夕景が美しいこの地域でさつまいもを栽培されている、齋藤正美さんを訪ねました。

1年に1回しか取れないから、先を見て

さつまいもをうまく収穫するためには、「先を見る」ことが大事だそうです。

「メイン(のさつまいも)の他に、それより悪いのを少しずつ作るの。」
と齋藤さん。わざと適した時期を外してさつまいもを植えるのだそうです。
「早く植えたらこうなる、遅く植えたらこうなる、って、1年に3作やるような感覚でいいのと悪いのとを見ておかないと。」

あえて、失敗作を作るんですね。

「1年に1回しか取れないから。40年やってもたった40回。自分でいろんなこと考えてやってみないと先が見えない。対応できなくなっちゃう。」

何があってもなるべく対応できるように、先を読んでいろんなことを試す。淡々と語られていましたが、さすが、プロです。

齋藤さんの畑です。きれいに整っていて、手入れが行き届いているのがうかがえます。

季節に逆らわない

さつまいも栽培40年の齋藤さん。栽培で一番心がけているのはどんなことでしょうか?

「4月はこういう状態、5月はこういう状態って、さつまいもの生育が決まっているので、その状態に合わせるように全体を仕上げていく。季節に逆らうとうまくいかないよね。」

たとえば、植え付け。この作業は5月ごろ始めますが、6月下旬や7月になるともう遅いのだとか。

「雨が降ってるうちに植え付けが終わらないと。暑くなる時期だけは避けないと、いもがちゃんと成っていかないんだよ。」

その後も、適温のうちに収穫できるように作業を進めていくそうです。

大きな機械に乗って収穫作業。奥様と息子さんもご一緒です。

きっちりしたものしか出せない

「顔が見える野菜。」に取り組むようになって、変化はありましたか?

「自分の顔が入ってるからね。きっちりしたものしか送れないよ。一生懸命作っても買ってもらえなかったらどうしようもないから、いもをきちっとした形で出すようにしてます。」

お店でご自分の商品をご覧になることはありますか?

「結構あります。一番最初に見るのは、売れ残ってるやつ。こういう原因で売れ残ってるのか、って考える。他の人のは、この人はこうやっていもを選別してるのか、とか一通り見るよ。」

お店に並んでいる姿を見て、また考える。ここでも齋藤さんの「先を見る」姿勢がうかがえます。

畑で取りたてのさつまいもです。

仕事も真剣、遊びも真剣

齋藤さん、ありがとうございました。
さて、齋藤さんは農作業のないとき、どんなことをしているのでしょうか?
「好きなのはラジコン。飛行機でもヘリコプターでもやるよ。自分らでも一応、作ってるからね、飛行場。草ボーボーだけどね。」
かなり本格的ですね!

「(ラジコンは)毎日飛ばして毎日壊してるよ。瞬間接着剤ですぐ直るけどね。ははは。」

先を見ながら作業をして、きちんと余裕を作って遊ぶことも考える。そんなメリハリが感じられました。

さつまいものことは真剣に、ラジコンのことも真剣に、たくさんお話してくださいました。

そんな齋藤さんのさつまいも。お店に並んでいるのは、齋藤さんの先を見据えた努力の結晶、その選りすぐりです。齋藤さんが自信を持って送り出したさつまいもを、是非ご賞味ください!

さつまいも栽培は、先を見て。